BtoC企業にとって欠かせない仕組みとなっている「ポイントビジネス」。ポイントビジネスは、提供する側にもされる側にもメリットのある仕組みです。そこで本記事では、具体的なポイントビジネスの仕組みについて解説します。ぜひまだポイントシステムを導入していない企業は、参考にしてください。ポイントビジネスとは?前提として、ここで解説する「ポイントビジネス」とは、「ポイントシステム」や「ポイントサービス」と同義として考えてください。ポイントビジネスとは、顧客に対してポイントを付与し、ポイント数に応じて次回以降の値引きや商品交換などを行うサービスです。以下のように、自社にとっても顧客にとってもメリットがあります。自社のメリット顧客のメリット顧客満足度向上によるリピート、囲い込みお得に商品を購入できる上記のようなメリットから、昨今のBtoC企業のほとんどはポイントシステムを導入しています。>>ポイントビジネスに関する無料資料のダウンロードはこちら<<現代のポイントビジネスの傾向昨今では、ポイントビジネスの需要が拡大している傾向です。矢野経済研究所による「ポイントサービス市場に関する調査(2023年)」内「国内ポイントサービス市場規模予測」では、以下のような結果が出ています。年度市場規模(億円)2022年度24,8162023年度(見込)26,3282024年度(予測)27,9382025年度(予測)29,5852026年度(予測)32,1912027年度(予測)33,999上記のように、2022年度時点で国内ポイントサービス市場規模は2兆4,816億円にまで拡大しています。キャッシュレス決済の普及によりコード決済におけるポイント発行が急増したことにより、今後も市場は拡大する見込みとされています。ポイントビジネスが浸透した流れと消費者行動の変化ポイントビジネスが浸透した理由には、消費者行動の変化が関係しています。ポイントビジネスの進化と消費者行動の変化の流れは、以下のとおりです。ポイントビジネスの進化消費者行動の変化ポイントビジネスの浸透ポイントビジネスを導入ポイントサービスを知り始めるポイント交換の開始航空業界などのマイレージサービスが開始ポイント交換による体験が普及し始める企業の導入コンビニ等でポイントビジネスが導入共通ポイントが浸透ポイント経済圏の拡大ポイントが貯まるシーンの増加ポイントを利用し、使い分ける上記の流れで、ポイントビジネスは顧客に浸透していきました。以下でさらに具体的に解説していきます。1.ポイントビジネスの浸透ポイントビジネスが浸透し始めたのは、1980年代後半からです。当初は家電量販店の販促方法として「値引き」から「ポイント付与」に変化していきました。ポイントの利便性を知った消費者は、ポイントサービスを実施している店舗を多く利用するようになりました。2.ポイント交換ポイントを交換できる仕組みが作られたのが、1990年代~2000年代前半あたりです。ポイント交換を始めた企業として代表的なのが、全日空や日本航空。マイレージサービスで、ホテルやタクシーとポイントを交換できる仕組みを作りました。これを機に、消費者の間ではマイレージを貯める「マイラー」が増加し、「ポイント交換体験」が浸透していきます。3.企業の導入200年代後半からは、大手小売業者がポイントビジネスを導入し始めます。とくに代表的なのがコンビニで、ファミリーマートの「Tポイント」、ローソンの「Ponta」の導入が開始されたのがこの時期です。消費者の間では共通ポイントが浸透しはじめ、ポイントが「貯まる・使える」店舗を積極的に利用する傾向がみられました。4.ポイント経済圏の拡大2010年代以降は、「会員獲得・リピーターの増加・経済圏内での回遊促進」を目的として、複数サービスをまたいで経済圏を形成する事業者が登場します。さらに、公共料金などでポイントが貯まるシーンも増加します。消費者は、複数の共通ポイントを利用して、場面に応じて使い分けるようになりました。ポイントビジネスの仕組みポイントビジネスは、大きく分けて4つのビジネスモデルがあります。クローズドセミオープンオープンポイント交換型それぞれの特徴を、以下の表にまとめました。クローズドモデル特徴例基本形自社→ポイント→自社自社でポイントを与えて自社の商品、サービスに使える量販店/百貨店他社ポイント導入型自社・他社→ポイント→自社自社ポイントに加えて他社ポイントも受け入れる携帯電話セミオープン他社ポイント活用型自社→ポイント→他社自社でポイントを与えて他社ポイントプログラムを活用できる生命保険/証券基本形+他社ポイント活用型自社→ポイント→自社・他社自社でポイントを与えつつ、自社でも他社でもポイントプログラムを活用できるクレジットカードオープン自社ポイント活用型自社・他社→ポイント→自社・他社自社でポイントを与えて、他社にも共通ポイントとして自社ポイントを提供航空/楽天/テスコ中立ポイント活用型自社・他社→ポイント→自社・他社他社にも共通ポイントとして自社ポイントを提供Tポイント/Paybackポイント交換型-他社→ポイント→他社ポイント交換の手数料/差益を得られるGポイント/ネットマイル昨今では、ポイント交換型やオープン型が多く導入されています。なぜポイントビジネスが注目されるのか?ポイントビジネスが注目されている理由は、マルチポイント化にあります。ポイントサービスが始まった頃は、A社のポイントをA社でしか使えませんでした。しかし、昨今では1度のお買い物で自社ポイントと共通ポイントの両方が付与される傾向にあります。この仕組みを活用することで、共通ポイントを活用して新規顧客を獲得し、獲得した新規顧客を自社ポイントの独自施策で囲い込むことができます。消費者のポイントサービスに対する意識も高まっています。ネットエイジア株式会社の「日本人のポイント活用に関する調査2020」による「ポイントサービスが好き」という項目では、以下のような結果が出ています。あてはまる…41.2%ややあてはまる…40.9%あまりあてはまらない…11.3%全くあてはまらない…6.7%上記のように、ほとんどの人が「ポイントカードが好き」だと回答。さらに「お得なポイントカードは積極的に作りたい」という項目においては、以下のような結果が出ています。非常にあてはまる…26.5%ややあてはまる…40.8%あまりあてはまらない…22.8%全くあてはまらない…9.9%上記の調査結果から、ポイントサービスに対する消費者の需要が高まっていると言えます。ポイントビジネスのトレンド事例ポイントビジネスのトレンドとして、3つの事例を紹介します。楽天ポイントVポイント(T-ポイント)Pontaポイントそれぞれの仕組みを理解して、自社でポイントシステムを導入する際の参考にしてください。楽天ポイント楽天ポイントは、楽天グループが提供しているポイントシステムです。2022年7月19日には、楽天ポイントの累計発行ポイント数が3兆ポイントを超えたと発表しました。最大の特徴は、楽天グループが展開する様々なサービスでポイントを貯めたり使用したりできる点です。楽天市場・楽天銀行・楽天モバイルなどで貯めたポイントは、楽天トラベルで旅行をする際にも使えます。さらに、楽天ポイントカードを使えば、一部の実店舗での買い物にも利用できます。楽天ポイントの仕組み楽天ポイントは、楽天グループの各サービスや提携加盟店で買い物をしたときにポイントが貯まります。貯まったポイントは、楽天の各サービスで1ポイント1円として使用できるほか、スーパー・ドラッグストア・コンビニ等の加盟店でも利用できます。ポイントは、通常ポイントと期間限定ポイントの2種類。通常ポイントの有効期限は、獲得した月から1年ですが、期限が切れる前に再度ポイントを獲得すれば、その月からさらに1年間延長されます。対して、期間限定ポイントの有効期限は短く延長されており、延長もありません。この2つのポイントが、顧客の購買意欲を掻き立てる要因となっています。通常ポイントによる顧客の心理期間限定ポイントによる顧客の心理・ポイントが貯まるところで買い物をしておこう・この機会にポイントを使っておこうVポイント(T-ポイント)Vポイント(T-ポイント)は実店舗で多く導入されているポイントサービスです。2022年10月3日には、お互いのポイントの貯まりやすさ・使いやすさを大幅に向上する目的で、T-ポイントと三井住友グループが運営するVポイントが統合され、新ポイントを展開することが発表されました。新ポイントのVポイントは、2024年4月22日から提供開始されます。Vポイント(T-ポイント)の仕組みVポイント(T-ポイント)は、提携店舗で利用金額ごとに貯めたり使ったりできるポイントサービスです。貯めたVポイント(T-ポイント)は、全国の提携先で利用できます。ポイントは主に200円で1ポイント、または100円で1ポイントとなります。貯めたポイントは1ポイント1円として利用可能。また、他社で貯めたポイントをTポイントと交換することもできます。主な提携先は、以下の4つです。ENEOSカードJPバンクカードNICOSカードANAマイルさらに、電気料金の支払いでT-ポイントが貯まる電力会社やプランも登場しています。幅広いシーンで活用できるポイントであることから、T-ポイントを利用する消費者は多いです。PontaポイントPontaポイントは、au WALLETポイントとの統合により、決済サービス利用に伴ってポイントを貯められます。最大の特徴は、他社ポイントとの相互交換ができる点です。ポイント交換可能な他社ポイントは30種類以上。日常のあらゆる場面で活用しやすいポイントです。Pontaポイントの仕組みPontaポイントは、買い物・au携帯電話料金・公共料金などの支払いでPontaポイントが貯まります。還元率は店舗によって異なりますが、200円で1Pontaポイントまたは100円で1Pontaポイントです。貯まったポイントは、以下のように使えます。au PAY残高にチャージPonta提携会社カード請求額のお支払いau PAYマーケット各種支払いでもポイントが貯まることから、利便性の高いポイントサービスとして人気があります。ポイントビジネスの目的企業がポイントビジネスを利用する目的は、主に以下の2つです。集客LTVの向上BtoC企業にとって、上記の2つは課題になる部分でもあるでしょう。ポイントビジネスでこれらの課題を解決できる理由について、以下で解説します。集客ポイントビジネスの導入は、集客方法として有効的です。「消費者行動の変化」でも解説したように、多くの消費者はポイントサービスを導入しているサービスを選ぶ傾向にあるからです。とくにポイントサービスが浸透している昨今においては、集客の要と言っても過言ではないでしょう。さらに、ポイントサービスを上手に活用すれば、次回来店・購入の動機付けにもなります。LTVの向上ポイントビジネスの導入は、LTVの向上にも役立ちます。LTVとは「LifeTimeValue」の略で、「顧客生産価値」を指し、1回の取引ではなく、2回目以降の長期的な関係のなかで得られる利益です。例えば、楽天ポイントは「ポイントが失効する前に楽天グループで買い物をする」「期間限定ポイントを使うために楽天グループで買い物をする」といったように、LTVを向上するために上手に活用しています。このように同じサービスを継続的に利用してもらうことで、顧客ロイヤルティの向上にも寄与します。ポイントビジネスの導入ならGMOリピータスへポイントビジネスを導入するなら、GMOリピータスをご活用ください。GMOリピータスは、企画提案・システム開発・デザイン制作・導入後の運用・ユーザーサポートまで一貫して行います。また、ユーザーのLTVを向上させる以下の機能も実装できます。ポイ活ゲームガチャコンテンツポイント交換アフィリエイト広告ソーシャルゲームスロットゲーム脳トレクイズアンケート※オリジナル機能の追加も可能です。上記のような体験型のコンテンツを提供することで、顧客ロイヤルティも向上します。具体的な資料は、以下からダウンロードできますので、ぜひ一度ご覧になってください。