ポイントシステムを導入しようと検討していても、多くの場合は費用がネックになるのではないでしょうか。大きく分けてポイントシステムには「自社開発型」「クラウド型」の2つがありますが、いずれも費用はかかります。無料で使えるケースもありますが、長期的に使えるものではありません。そこで、今回の記事では、実際にどの位の費用がかかるのか、ポイントシステムの導入費用について解説します。自社の求めるポイントシステムにするために、費用の目安を理解しておきましょう。ポイントシステムの導入費用は内容によって異なるポイントシステムの導入費用は、一律ではありません。自社の運用方法によって導入費用は異なります。とくに費用にかかわってくるのが、以下の4つです。ポイントの種類自社開発型クラウド型サービスのカスタマイズ上記4つによって導入費用が異なります。結論から言えば、費用を抑えられるのは独自ポイントのみのクラウド型です。しかし、この場合はシンプルであるために大きな効果は期待できません。ポイントシステムの目的は「顧客のリピーター育成」「顧客の囲い込み」「顧客のLTV向上」ですから、単に安いだけで選ばずに、それぞれの特徴を加味した上で決定する方法をおすすめします。以下では、上記に挙げた4つがどのように導入費用に関わってくるかについて解説します。ポイントの種類まず知っておきたいのが、ポイントの種類です。ポイントの種類は「独自ポイント」と「共通ポイント」に分かれます。独自ポイントというのは、自社だけで使えるポイント、共通ポイントは加盟店であればどこでも使えるポイントです。大きな特徴を以下の表にまとめましたので、参考にしてください。独自ポイント共通ポイントリピートやLTV向上に繋がる多店舗展開がしやすい競合との差別化ができる加盟店同士で相互に送客ができる顧客データを収集しやすい運営・管理コストをおさえられる独自のキャンペーン施策を講じやすいポイント利用者が多いコストについては、運用方法によって異なります。たとえば、共通ポイントを多くの店舗に導入する場合は、高額になります。一方で、独自ポイントであれば初期費用はかかるもののランニングコストを抑えられます。また、ポイントカードという方法であれば、独自ポイントでも初期費用も安くランニングコストも抑えられます。運用方法によって異なりますが、まずはどちらのポイント制度にするのかをハッキリさせておきましょう。自社開発型ポイントシステムの自社開発型導入費用は、通常1,000万円以上となります。これは、自社の理想に合わせたシステム開発が可能だからです。1,000万〜3,000万円ほどの費用で、自社に合わせたシステムを構築しているような企業もあります。ただし、リスクも高いため、資本に余裕がある企業や全国展開している企業に適しています。クラウド型クラウド型ポイントシステムの導入費用は、数万円から数百万円程度です。初期費用を抑えつつ、ある程度のカスタマイズが可能だからです。初期費用が数十万円程度で、月額のランニングコストが数万円~数十万円というケースもあります。ただし、規模や店舗数によっては追加費用が必要な場合もあります。初期投資を抑えたい企業に適しており、自社開発型に比べて自由度は低いものの、近年はカスタマイズの幅が広がっています。サービスのカスタマイズカスタマイズの内容によっても導入費用は異なります。たとえば、クラウド型のパッケージのようなものであれば、導入費用を抑えられるでしょう。反対に、自社のオリジナリティを出す場合には、追加で費用がかかるケースもあります。さらに、クラウド型のカスタマイズだけで満足できない場合は、イチからシステムを作らなければならないので、自社開発型となり、導入コストは高くなります。ですので、ある程度の費用を算出するために、事前に「どのようなシステムにするか?」「どのような機能を実装したいか?」などを決めておく必要があります。無料で導入できるポイントシステムはある?完全無料のポイントシステムはほぼ存在しません。多くのシステムが無料お試し期間を提供するのみで、長期的な無料利用は想定されていないのです。たとえ無料で導入できるシステムでも、機能が限定されていたり、メニューが少なかったりする可能性があります。そのため、ビジネスにとって十分なメリットを得られない場合が多いです。ポイントシステム導入にかかわる費用ポイントシステムにかかるコストは、導入費用だけではありません。導入後の費用も計画に入れておく必要があります。なぜなら、導入後には以下の費用がかかるからです。運用費ポイント付与にかかる費用ポイントサービスプロモーション費上記のなかで「運用費」「ポイント付与にかかる費用」は、導入後に必ずかかる費用です。ポイントサービスプロモーション費については抑えられますが、費用をかけなければ利用する顧客が生まれにくいです。以下で、それぞれにかかる費用について、より具体的に解説します。ポイントシステム導入の計画を策定する上での参考にしてください。運用費ポイントシステムの運用には継続的な費用が必要です。ポイント還元原資、月額費用、店舗数に応じた追加費用などが発生するためです。例えば、顧客が貯めたポイントの商品購入への充当や景品交換には費用がかかります。また、クラウド型システムでは月額数千円から数万円の費用が発生し、店舗数に応じて追加費用が必要な場合もあります。初期費用だけでなく、運用費用も十分に考慮しておきましょう。ポイント付与に掛かる費用ポイント付与には、売上から差し引かれる直接的な費用が発生します。ポイントが実質的な値引きやプレゼントとして機能し、会計上で売上のマイナス処理が必要となるためです。例えば、Vポイントのような共通ポイントシステムでは、ポイント発行時にCCC社への費用支払いが発生します。費用規模は企業のユーザー数によって大きく変動し、数百万円から数億円程度と幅広くなります。還元率やキャンペーンの実施状況も影響します。また、共通ポイントシステムによって負担方法が異なり、楽天ポイントは購入代金の一定割合、nanacoポイントは決済手数料として3%台、dポイントは1%の手数料がかかります。ポイントサービスプロモーション費ポイントシステム導入後のプロモーション費用も、導入にかかわる費用として忘れないでおきましょう。新しいサービスをユーザーに周知し、利用を促進するために必要不可欠です。例えば、電気・ガス会社などの大規模事業者では、多数の顧客にサービスを告知するためのアプリ開発や宣伝物作成、広告費用が発生します。WEBサイト、チラシ、広告など、使用する媒体によって費用は大きく変動します。ポイントシステムの成功には、導入費用だけでなく、十分なプロモーション予算の確保が重要です。効果的な周知がなければ、せっかくのシステムも活用されない恐れがあります。ポイントシステムの運用コストを抑える方法ポイントシステムの運用コストを抑えるには、2つの方法があります。運用の自動化外部委託による運用自社ですべてを行おうとすると、どうしても運用コストはかかってしまいます。ですので、上記の2択をおすすめします。これらのコストも、導入前から理解しておけば、全体の予算計画を策定する際に役立ちます。後になって、「さらに追加予算が必要」とトラブルになることがありません。以下でそれぞれの方法について解説しますので、予算計画を立てる際の参考にしてください。運用の自動化ポイントシステムの運用におけるコストを抑えるためには、自動化が効果的です。手動で行われていた業務を自動化することで、人件費の削減と作業効率の向上が期待できます。特に、以下の点については効率的かつ正確に処理ができます。ポイントの付与や管理会員データの更新また、自動化にすれば、ヒューマンエラーのリスクが軽減され、顧客満足度を向上させます。外部委託による運用ポイントシステムの運用コストを抑えるには、外部委託もおすすめします。専門知識や技術を持つ外部業者に任せることで、自社での運用に比べて大幅なコスト削減が可能になるためです。自社運用では専任スタッフの確保や技術的対応にかかる費用が膨らむ一方、外部委託では経験豊富なスタッフと最新技術を活用できます。また、システムの維持管理やトラブル対応費用を月額料金や成果報酬に集約することで、予測可能なコスト構造を実現できます。さらに、運用負担が軽減されることで、自社は本業に集中でき、全体的なビジネスパフォーマンスの向上も期待できます。ポイントシステム導入のメリットポイントシステムは、企業や店舗の課題を効果的に解決できます。とくに以下3つの分野で効果を発揮します。LTV(顧客生涯価値)の向上販売促進顧客データの蓄積例えば、LTV向上では、ポイントの貯蓄や使用を目的とした顧客の再来店を促進します。販売促進では、ポイント還元率の向上やポイント倍増キャンペーンなど、顧客にメリットを感じさせる形でのプロモーションが可能です。顧客データの蓄積では、ポイント会員登録を通じて詳細な顧客情報を自然に収集でき、それを活用した効果的なマーケティング戦略の立案が可能になります。ポイントシステムの導入メリットについては、以下の記事でも解説しているので参考にしてください。※ポイントシステムを導入するメリットを詳しくご紹介ポイントシステム導入の主な流れポイントシステム導入の流れを、2つの位置から解説します。1つ目は、導入前の準備です。以下のポイントを意識しながらポイントシステムを選びましょう。ポイントシステム導入の目的を明確にする必要な機能を検討検討しているポイントシステムに必要な機能が備わっているか確認複数のポイントシステムで見積もり機能・コストを踏まえて最適なシステムに申し込みここまでが、ポイントシステムを選ぶまでの流れです。次に、ポイントシステムを実際に導入するまでの流れについて解説します。ただし、導入ステップは自社開発やクラウド型、業者によっても異なります。以下はGMOリピータスのポイントシステムを導入する際のステップです。お問い合わせ打ち合わせ・ヒアリング(課題のヒアリング・秘密保持契約の締結)お見積り開発・制作(契約書の締結)運用開始なお、開発期間は3ヵ月~5ヵ月が目安ですが、要件によって変動します。ポイントシステムの選び方ポイントシステムの選び方として、5つのポイントがあります。これらの適切なシステムが企業の目標達成と顧客満足度向上に直結します。ポイントの種類ポイントシステムの機能性外部システムとの連携サポート体制提携会社と自社の目的特にシステムを運用するにあたって、操作性の良さや既存システムとの互換性や提供会社との目的のすり合わせが重要になります。ポイントシステムは安さだけで選んでも良い?ポイントシステムを選ぶ際、コストは重要な要素ですが、安さだけで選ぶのはリスクがあります。初期導入費用や月額料金が安くても、運用の柔軟性や拡張性が欠けているシステムを選んでしまうと、後々トラブルになったり追加費用がかかったりする可能性があります。たとえば、顧客データの管理が不十分なシステムでは、顧客満足度が低下し、リピーターの獲得が難しくなるかもしれません。また、サポート体制が不十分な場合、トラブル時に迅速な対応ができず、ビジネスに悪影響を及ぼすリスクもあります。総合的に判断し、価格だけでなく、機能やサポート体制、将来的なビジネスの成長に対応できるかを考慮して選びましょう。ポイントシステムの導入は自社の理想を叶えるものにしましょうポイントシステムを導入するなら、「安い」「手軽」だけではなく、どれだけ自社の理想が叶えられるかを判断軸にしましょう。確かに安ければ安いほどサービスのスタートは早くなります。しかし、結果的に自社が求める効果が得られなければ意味がありません。ですから、事前にどのようなシステムにしてどの位のコストがかかるのかを計画しておくようにしましょう。GMOリピータスでは、できる限りお客様の予算に合わせたポイントシステムを提案します。貴社の課題や予算に合わせた機能を実装しますので、余計なコストはかかりません。予算についてもお気軽にご相談ください。