更新日:2026/6/3

    ECサイトに“ポイ活”をどう馴染ませるか──『minne byGMOペパボ』が実践したポイント・コイン活用 

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    お話を伺った方

    GMOペパボ株式会社
    SUZURI・minne事業部 minneグループ
    マネージャー
    武尾 健太 様
    https://pepabo.com/

    GMOペパボ株式会社が運営する国内最大のハンドメイドマーケット『minne byGMOペパボ』。
    作家・ブランド数97万件、作品数1,837万点(2025年12月末時点)を抱える大規模なプラットフォームとして、多くの人の“ものづくり”を支えてきました。

    そんな『minne byGMOペパボ』では、ユーザーとの接点を増やし、サービス内での行動を活性化させる取り組みとして、ポイント・コインを活用した機能開発を進めています。中心にあるのが、好きな作家を応援しながらコインも獲得できる「応援機能」と、アプリ内のミッション達成でコインが貯まる「minneリワード」です。
    この仕組みをどう立ち上げたのか。なぜ自社開発ではなくGMOリピータスの外部APIを採用したのか。

    2026年4月23日に開催されたGMOリピータス主催イベント『ポイ活 ENGAGEMENT DAY byGMO』にて、minneグループ マネージャーの武尾 健太 氏に語っていただきました。

    「応援」を循環する仕組み

    ―― まず、GMOリピータスの導入を検討し始めた背景を教えてください。

    武尾氏:

    きっかけは、2025年7月にリリースした「応援機能」です。minneの作家・ブランドのページから広告を視聴すると、その作家さんにminne広告のチャージが行われる仕組みで、ユーザーさんが好きな作家さんを応援できるようにしました。

    この機能でやりたかったのは、誰か一方だけが得をする形ではなくて、ユーザーさん、作家さん、そして私たち「minne byGMOペパボ」の三者にメリットがある状態をつくることでした。

    ユーザーさんにとっては、好きな作家さんを応援できるし、新しい作品に出会うきっかけにもなる。作家さんにとっては、広告チャージによって露出の機会を増やせる。私たちとしても、新しい広告接点や収益機会につながる。そういう循環をつくりたいと考えていました。

    ただ、「応援機能」をより広げていこうとすると、作家さんへの還元だけでなく、ユーザーさん自身にも継続して参加したくなる動機づけが必要になってきます。そこで次に考えたのが、minneポイントとは別の役割を持つminneコインの設計でした。

    minneポイントとは別に、minneコインが必要だった理由

    ――「応援機能」を広げていくなかで、なぜ新たにminneコインの仕組みが必要だったのでしょうか?

    武尾氏:

    minneポイントは、購入時の値引きに使うものです。価値がかなり直接的なので、広告視聴の対価をそのままポイントで返す設計にすると、サービス全体として少し強すぎる感じがありました。

    一方で、私たちがやりたかったのは、単純に「お得だから使う」という形だけではありません。毎日アプリを開きたくなるきっかけをつくるとか、作品との出会いを増やすとか、少しゲーム的な楽しさを持たせるとか、そういう役割も持たせたかったんです。

    そのために、購入に使うminneポイントと、行動に対するリワードとして貯まるminneコインを分けました。お得感と楽しさを、同じ通貨に全部乗せないようにしたイメージですね。

    “ECにポイ活を入れる”ことへの慎重さはあった

    ―― ECサービスにリワード要素を入れるうえで、難しさもあったのではないですか?

    武尾氏:

    ありました。「minne byGMOペパボ」は、ものづくりを楽しむ場であって、いわゆるポイ活サイトではないので、そこはかなり気をつけました。リワードが前に出すぎて、本来の体験を邪魔してしまうのは違うよね、というのが最初からありました。
    なので、最初からいまの形だったわけではありません。

    ――もともとはどのようなサービスの仕組みだったのでしょうか?

    はじめは、本当に「作家さんを応援する」という体験からスタートしています。最初の段階では、応援してもユーザーさんにminneコインがもらえるわけではなかったんですが、それでも思った以上に使っていただけました。好きな作家さんのためなら広告を見てくださる方が、ちゃんといらっしゃったんです。

    そこから少しずつ広げていきました。応援にminneコイン付与を加えて、さらにminneコインをminneポイントに交換できるようにして、いまのminneリワードにつながっています。

    段階を踏みながら、minneの中で違和感なく成立する形を探っていった感じです。

    「最速でリリースする」── 自社開発ではなく外部APIを選んだ理由

    ―― 貴社のように開発体制のある組織でも、自社開発ではなくGMOリピータスの外部APIを選んだのはなぜでしょうか?

    武尾氏:

    いちばん大きかったのはスピードです。minneコインを2025年内にリリースして、その後のリワード広告の検証にも早くつなげたかった。そこがかなり明確にありました。

    もちろん、自社開発でも技術的には実現可能でした。ただ、ポイントの仕組みって、見た目以上に重いんですよね。1ポイントでもずれてはいけないですし、加算・減算の整合性、今後のデータ量への耐性、経理処理や運用まで含めると、ゼロから作る負荷はかなり大きい。

    その点、GMOリピータスなら、必要なタイミングでAPIを呼び出して管理できる。自分たちで抱えるものを増やしすぎずに済みますし、私たちはサービス側の体験設計に集中できる。最速で立ち上げるには、この形がいちばん合っていました。

    1ヶ月・3名で立ち上げ—重かったのはAPI実装より、その先の体験づくり

    ―― 実際の導入には、どの程度の工数がかかりましたか?

    武尾氏:

    立ち上げ自体は、1ヶ月・3名で進めました。API実装そのものは比較的軽くて、大きく困る場面はあまりなかったです。APIを叩けばユーザー作成まで進められたので、その点はかなり助かりました。

    時間がかかったのは、むしろminne側の開発です。
    既存の「応援機能」をどう広げるか、インフラや周辺の整備をどうするか、ユーザーさんにとって自然な導線をどうつくるか。そういう、体験として成立させるための部分に工数を使いました。

    ポイント管理の仕組みそのものを一から抱え込まずに済んだので、そのぶん本来考えるべきところに時間を使えたのは大きかったです。

    導入後の広告収益は約5倍

    ―― 導入後、どのような変化がありましたか。

    武尾氏:

    数字として分かりやすかったのは、広告収益や利用状況です。

    minneコイン導入前と比べると、広告収益は約5倍、リワードユーザー数は約4倍になりました。リワード画面閲覧率も11ポイント上がっていて、習慣的にアプリを開いてくださる方が増えてきた感覚があります。2026年3月には月次目標も初めて達成できて、達成率は103%でした。

    もちろん、まだ途中段階ですし、ここからもっと伸ばしていきたいとは思っています。
    ただ、「応援機能」や「minneリワード」が行動のきっかけになっている手応えはあります。
    その一方で、運用が極端に重くなったわけではありません。問い合わせが増えて困っている、ということも今のところなくて、まずは安定して回せているのが大きいですね。

    minneリワードは“コインを配る”ことではない

    ―― 現在のminneリワードは、どんな考え方で設計されているのでしょうか?

    武尾氏:

    いちばん大事にしているのは、日常利用の延長線上にあることです。たとえば、アプリを起動する、特集を見る、フォロー中の新着作品を見る、といった行動をデイリーミッションにしています。

    これって、コインのためだけに作った行動ではなくて、もともとminneの中で作品と出会ってもらうために大切にしていた接点なんです。そこにリワードを足すことで、サービスの価値を崩さずに、習慣化のきっかけをつくれないかと考えました。

    お買い物頻度や応援回数に応じた累積ミッションも用意していますが、無理に行動を変えさせるというより、いつもの使い方が少し楽しくなるように設計しています。

    ―― 今後、ポイント・コイン活用でさらに実現したいことはありますか。

    武尾氏:

    まずは、今の仕組みをもっと育てていきたいです。そのうえで、どの経路で獲得したminneコインがどこで使われたのか、といったデータが見えるようになると、改善はさらに進めやすくなると思います。CRMツールとの連携も含めて、運用しやすい形に広がっていくことには期待があります。

    また、minneには、ものづくりに関心の高いユーザーさんが集まっています。そうした特性を踏まえると、今後は応援以外の形で広告やリワードの体験を広げられる余地もあると感じています。

    ただ、どこまで広げるとしても、minneがポイ活のためのサービスになってしまってはいけません。ものづくりを楽しむ場であり続けることを前提に、体験の一部としてどう馴染ませるかは、これからも大事にしたいですね。

    インタビューを終えて

    「minne byGMOペパボ」のポイント・コイン施策は、単なる販促施策ではありませんでした。

    「好きな作家を応援したい」「毎日アプリを開きたくなる」「新しい作品に出会いたくなる」。

    そうした感情や行動の流れを、サービスの中でどう自然に生み出すか。その設計が、今回の取り組みの中心にありました。

    その体験を1ヶ月・3名で形にするにあたり、ポイント管理を自社で抱え込まず、外部APIを活用することで、サービスの核となる体験づくりに集中する――。「minne byGMOペパボ」の事例は、その有効性をよく示しています。

    これからもGMOリピータスは、「minne byGMOペパボ」のさらなる挑戦を支援してまいります。

    武尾様、『ポイ活 ENGAGEMENT DAY byGMO』へのご登壇、ありがとうございました!


    関連サイト

    ◆GMOペパボ株式会社
    https://pepabo.com/

    ◆『minne byGMOペパボ』
    https://minne.com/

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